プラセンタは紀元前から滋養強壮のために薬として使われてきた歴史があります。
漢方でも「紫河車(しかしゃ)」として肉体的、精神的衰えに対する薬として使われてきました。
 
プラセンタは胎盤のことです。
プラセンタとは胎児が母体から酸素や栄養素をもらうときの中継所で、胎児を育てる成長因子を分泌し病気に負けないように免疫力を高めてくれます。

すなわち、胎児が母体の中で、健やかに成長するため大切な役割を果たしているのがプラセンタです。
 
プラセンタは出産後、その10ヶ月にも及ぶ長い役割を終えて母体から外に排出されます。
人間以外のほとんどの有胎盤哺乳動物は出産後に胎盤を食べますが、それは出産で体力を失った母の栄養を補充するためです。
 
このようにプラセンタには豊富で重要な栄養素、具体的には三大栄養素であるタンパク質・炭水化物・脂肪の他、ミネラル、酵素、ビタミンなどを含みます。
また、プラセンタの中には様々な増殖因子があり、細胞の増殖と再生を促します。
 
プラセンタの成分は栄養素以外にも多くの成分が含まれています。
それは、西洋薬のような単一の成分ではなく、何種類もの成分を合わせた漢方薬のような薬です。
そしてプラセンタエキスは多種類の成分が含まれているので様々な効能が認められています。
 

注射薬の効能

医療機関で使われているプラセンタエキス製剤は2種類ありその保険適応の効能も違います。
 
ラエンネック
「慢性肝疾患における肝機能の改善」という効能があり、保険適応です。
 
以下はプラセンタエキスと偽薬を打ってどちらが効いたかをみる比較試験で改善が認められたという報告です。

「慢性肝炎及び肝硬変症に対する二重盲検比較試験1) 本剤の慢性肝炎及び肝硬変症に対する効果を、全国124例 を対象としたCross Over法による二重盲検試験により検討 した結果、本剤投与により血清トランスアミナーゼ(GOT、 GPT)値が有意に改善した。」(出典:http://jbp.placenta.co.jp/files/2016/03/4544ae530d7963f790a6
120a716ba2f5.pdf)
 
プラセンタエキスによって肝機能が改善することが明らかになりました。
 
・メルスモン

更年期障害、乳汁分泌不全」という効能があり、保険適応です。
 
「1.更年期障害  
更年期障害患者31例を対象に、本剤1回2mLを1週間に3回2週間継続して合計6回皮下投与し たところ、有効率77.4%(24例/31例)を示した。また、プラセボとの比較試験の結果、本剤の有効性が認められた。」(出典:唐沢陽介ほか:薬理と治療 9(3)29~308,1981)
 
更年期障害のある方についてはメルスモンを投与し始めてから2週間ほど効果の有無がわかるようです。
 
「2.乳汁分泌不全  
初産の褥婦67例を対象に、本剤1回2mLを1日 1回、産褥第1日より5日間連続して皮下投与した ところ、有効率68.6%(46例/67例)を示した。また、 プラセボとの比較試験の結果、本剤の有効性が認められた。」(出典:唐沢陽介ほか:基礎と臨床15(3)661~670,1981)
 
乳汁分泌が足りない場合でも5日間の投与で効果の有無がわかるようです。
 

外用薬の効能

注射薬ではありませんが、外用薬もあります。
プラセンタの外用薬はシミを作るメラニンの合成を阻害します。(参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj1979/16/1/16_1_10/_article/-char/ja/)

プラセンタの外用薬には、シミの予防という効能があります。(保険適応外

副作用はないの?

注射したところが痛くなる場合があります。273例中7例で認められました。
注射部位の発赤、過敏症、女性型乳房がそれぞれ1例ずつでした。
(参照:http://jbp.placenta.co.jp/files/2016/03/4544ae530d7963f790a6120a716ba2f5.pdf)

また、
「本剤は、有効成分としてヒト胎盤由来成分を含有しており、原材料となった胎盤を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程において加熱処理等を実施し、感染症の伝播を防止するための安全対策を講じているが、ヒト胎盤を原材料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することができないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討 の上、必要最小限の使用にとどめること。」

添付文書に注意が喚起されていますので、献血を普段から積極的にされている方はプラセンタ注射の治療はご遠慮ください。

費用

・自由診療の場合

初回

¥2750

 2回目以降 1本あたり  ¥1100

・保険適応(3割負担)の場合

初回 ¥2300程度(採血検査などを含める)
2回目以降 ¥500~¥1800程度(採血検査の有無で変動)

まとめ

プラセンタには色々な成分が含まれており、効能効果についてはさらに増える可能性がありますが、現在のところは慢性肝疾患、更年期障害、乳汁分泌不全について保険適応となっています。
また、自由診療ではありますがシミの予防にも投与されています。
プラセンタにご興味のある方は医療機関にご相談ください。