AGA(男性型脱毛症)の概要

男性型脱毛症は20歳代から始まり、徐々に進行します。頭頂部、額の生え際、もしくは両方から毛が抜け始めます。
 
毛包(毛穴)は毛が伸びる成長期(2〜6年)、脱毛する退行期(2〜3週間)、毛が生えない休止期(3〜4ヶ月)の三つの時期を繰り返しています。
この脱毛のサイクルにおいて男性ホルモンは重要な役割を果たしています。
 
男性ホルモンが頭頂部や額の毛の生え際に強く作用すると毛の増殖を抑制し、毛が伸びる成長期を短く休止期を長くします。
そしてその結果として、毛が軟らかく細くなり、最終的には毛が生えなくなります。
 
後頭部と側頭部の毛包には男性ホルモンが影響しないので最後まで毛が残ります。
 

AGAは遺伝するのでしょうか?

ストレスや皮膚炎による薄毛症の場合があるので全てではありませんが、多くの場合遺伝します。
祖父母までに薄毛の人がいなければAGAが遺伝する可能性は低いでしょう。

診断

家族で薄毛の方はいましたか?
抜け毛が増えてきましたか?
産毛のような毛が増えてきましたか?
若い時から毛が抜けることに気づいていましたか?
抜け毛が気になる部位は頭頂部もしくは額の毛の生え際ですか?
薄くなり始めた部分の毛の細くて短いですか?
 
当てはまる項目が多いほどAGAの可能性が高くなります。

AGAと年齢

抜け毛、薄毛を自覚するのは、20歳代で12.5%、30歳代で20.5%、40歳代で32.5%、50歳代で39.9%と年齢とともに上昇してきます。(板見 智:日本人成人男性における毛髪(男性型脱毛)に 関する意識調査,日本医事新報,2004; 4209: 27―29.)

治療

AGAは放置しておくと進行します。
AGAの治療は進行を止める方法と増毛する方法があります。
発症初期であれば進行を止めるだけでよいかもしれません。
AGAが進行してしまったら進行を止めるだけでなく増毛する方法も必要かもしれません。
 
医療機関で処方可能な薬は2種類で、フィナステリドデュタステリドです。

<フィナステリド>

フィナステリドは進行を止める内服薬です。
フィナステリド服用6ヶ月後には、抜け毛が減少し相対的に毛が増える効果が58%の方に認められました。
さらに2年後には68%、3年後には78%の方に効果がありました。
(Kawashima M, et al: Finasteride in the treatment of Japanese men with male pattern hair loss, Eur J Dermatol, 2004; 14: 247―254(. レベル II))
 
ただし、内服中にPSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)の値が50%ほど低下するため、フィナステリド内服中にPSAを測るときは2倍換算する必要があります。(D’Amico AV, Roehrborn CG: Effect of 1 mg/day finaste- ride on concentrations of serum prostate-specific antigen in men with androgenetic alopecia: a randomised con-trolled trial, Lancet Oncol, 2007; 8: 21―25)

<デュタステリド>

デュタステリドは進行を止めた上で増毛ができる内服薬です。
フィナステリドと比較した時、デュタステリドは6ヶ月後、より毛を太く多くさせる効果があるとわかりました。(Gubelin Harcha W, et al: A randomized, active- and placebo-controlled study of the efficacy and safety of different doses of dutasteride ver- sus placebo and finasteride in the treatment of male subjects with androgenetic alopecia, J Am Acad Derma- tol , 2014; 70: 489―498.)
 
ただし、国内非ランダム化試験(120 例,52 週間)では、性欲減少 8.3%、インポテンツ 11.7%, 射精障害 5.0%比較的高率に副作用が出ています。(Choi GS, et al: Safety and tolerability of the dual 5-alpha reductase Inhibitor dutasteride in the treatment of androgenetic alopecia, Ann Dermatol, 2016; 28: 444―450)
副作用について十分ご理解のうえ使うべき薬剤と思われます。

<ミノキシジル>

また医療機関で処方されない薬で効果があると認められている薬があります。
ミノキシジルの外用薬で増毛の効果があります。
国内では、 5%ミノキシジル液を用いた300 名の男性被験者を対象とした臨床試験を行った結果、6ヶ月後脱毛部1㎠ 内の毛の数は平均 26.4 本増えました。(Tsuboi R, et al: Randomized clinical trial comparing 5% and 1% topi- cal minoxidil for the treatment of androgenetic alopecia inJapanesemen,JDermatol,2009;36:437―4)

最初の治療であるならばフィナステリド(内服)で進行を抑え、増毛効果があるミノキシジル(外用)を併用するのが最もオススメです。
 
以下にガイドラインで推奨されている治療法について示します。
治療法 推奨度
内服 フィナステリド

男性は行うよう強く勧める(女性は行うべきではない)

デュタステリド

男性は行うよう強く勧める(女性は行うべきではない)

ミノキシジル

行うべきではない(いずれの国でも認可されていない)

外用 ミノキシジル

行うよう強く勧める

アデノシン

男性は行うよう勧める(女性は行ってもよい)

カルプロニウム塩化物

行ってもよい

t-フラバノン

行ってもよい

サイトプリンとペンタデカン

行ってもよい

ケトコナゾール

行ってもよい

ビマトプロストおよびラタノプロスト

行わないほうがよい

その他 自毛植毛

男性は行うよう勧める(女性では行ってもよい)

成長因子導入および細胞移植療法

行わないほうがよい

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」より
※特に何も書いていないところは男性も女性も同じ推奨度となります。
 
当院では以下の2剤を取り扱っています。
フィナステリド(ファイザー一製) 費用
初回(28日分) 9530円 
2回目以降(28日分)

6440円

 
デュタステリド(ザガーロ)

費用

初回(30日分)

12090円

2回目以降(30日分)

9000円

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