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ニキビ跡を作らない!〜正しいスキンケアと治療法〜
  • 2020/05/30
  • 院長ブログ,皮膚科について

にきびは「青春のシンボル」と言われています。発症する時期は15歳が一番多く、10歳ごろから出てきます。全人口の90%の人において少なくとも一度は罹患するので、たいていは病気というよりはその時期だけの生理的変化と捉えられます。
しかし、重度のざ瘡(にきび)になると後遺症としてニキビ跡が残ります。美容的な意味においても注目される疾患となっています。

ニキビの原因

①アンドロゲンの増加
②毛穴からの分泌物の増加
③分泌物でアクネ菌が増殖


①アンドロゲンは男性ホルモンといわれていてもともと筋肉を作るためのホルモンです。思春期から25歳までの間に多く分泌されます。
男性ホルモンと名前がついていますが、女性も男性と同じ時期に分泌量が増えます。
その結果、女性も思春期にはニキビが増えやすくなります。

②男性ホルモンは毛穴からの分泌物を増加させます。

③分泌物を栄養としてアクネ菌などの細菌感染が成立します。赤く炎症を起こして痛みが出てきます。さらにひどくなると膿がたまってきます。

ニキビの成長過程

上記②の過程でできるニキビをシロニキビ、クロニキビといいます。

シロニキビ(白色面皰)は毛穴に白い皮脂がたまった状態です。
シロニキビは皮脂が外に飛び出す前のニキビです。

シロニキビの皮脂がさらに充満してくると毛穴の出口が開いてきます。皮膚の外と繋がります。外界のホコリなどでシロニキビは黒く変色します。
これが、クロニキビ(黒色面皰)です。
外と繋がってしまったので、汚れだけでなく様々な細菌にも曝されます。

上記③の過程ではアクネ菌により炎症が起こると赤くなります。アカニキビ(炎症性皮疹)の状態です。

アカニキビがさらにひどくなると膿が溜まってきます。



ニキビの治療

<シロニキビとクロニキビのとき>
毛穴を広げて中に溜まった脂の成分を外に出さなければなりません。
毛穴を掃除する薬が2種類あります。
1. アダパレン
2. 過酸化ベンゾイル

アダパレンは角質細胞を増やさない働きを持っていてます。そして実際使ってみると角質を削ぎ落とすような作用があります。
そのため使いすぎると以下の副作用があります。
皮膚乾燥 (56.1%)
皮膚不快感(47.6%)
皮膚剥脱 (33.5%)
紅斑   (21.9%)  (添付文書による)

副作用からもわかるようにアダパレンには角質を落としてピーリングのような効果があります。
アダパレン12週間使用後のニキビ減少効果は63.2%でした。

過酸化ベンゾイルは二つの作用があります。角質剥離作用と、ニキビを悪化させるアクネ菌、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用です。
ダブルの力があるなんて一石二鳥です。
ちなみに副作用は以下の通りです。
表皮剥脱(18.6%)
適用部位刺激感(14.0%)
適用部位紅斑(13.8%)
適用部位乾燥(7.4%)
アダパレンに比べると副作用が少なめです。
効果の程は
炎症性皮疹減少率72.73%でした。
副作用が少なく効果が高いとなると過酸化ベンゾイルの方が良いのかもしれませんが、同じ条件での比較試験は行われていませんので厳密には判定は困難です。

<アカニキビの時>
アクネ菌など細菌の感染があり炎症をおこしている場合です。菌を排除する必要があります。

・軽症の炎症の場合
外用抗菌薬が尋常性ざ瘡ガイドラインでは推奨されています。
同時にアダパレンと過酸化ベンゾイルも推奨されていて様々で組み合わせで効果があります。
アダパレンと過酸化ベンゾイルの併用は副作用が出やすくなるので単剤での使用が推奨されています。逆を言えば副作用が出なければ併用効果は最強となります。

・中等度以上の炎症の場合
上記の薬に加えて
内服抗菌薬が推奨されています。
内服抗菌薬ではドキシサイクリンとミノサイクリンがロキシスロマイシン、ファロペネムなどが推奨度の高い薬です。これは抗炎症効果を期待されるドキシサイクリンとミノサイクリンを使った論文が多いためとも思われます。
アクネ菌など原因菌に対する感受性(薬が効くかどうかということ)が最も重要です。皮膚の表面には表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌がたくさんいるのでそちらにも感受性があったほうがより効果的です。
いずれも2週間ほど使ってみて、効果が少なければ変更する必要があります。

炎症が治った後の安定期

細菌感染による炎症を抗菌薬でおさえると一時的に皮膚の状態が良くなる時期が来ます。この時期には抗菌薬による治療は必要なくなりますが、毛穴が皮脂で塞がってしまうのは防がなければなりません。アンドロゲンの分泌量が減るようになるまで継続的な治療が必要です。
安定期に使う外用薬は前述したアダパレンと過酸化ベンゾイルです。

日常生活で注意すべき点

洗顔はした方がよいのでしょうか?
洗顔を1日2回から1日1回に減らしたら悪化したという報告があります。また、洗顔を1日4回にしようとしたら継続できなかったという症例もあり、ガイドラインでは1日2回の洗顔が推奨されています。
洗顔は皮脂を落とすのが目的です。

食事は何に気をつければいいのでしょうか?

ニキビがある患者さんで、食事内容で明らかにニキビが悪化する方は多くありません。チョコレートもピーナッツも全員に制限する必要はありませんが、個々の症例で食事とニキビが関連しているか検討する必要があります。ちなみに私はマヨネーズをたくさん食べると顎のところに「吹き出物」が出てきます。

お化粧はしてよいのでしょうか?

油性の化粧品を使うとニキビは悪化します。
化粧品にはノンコメドジェニック化粧品というものがあります。その化粧品を使ってみて初期のニキビが増えないことを確認するテストに合格するとノンコメドジェニック化粧品となります。ファンデーションを選ぶときにチェックしてみてください。

まとめ

ニキビはホルモンの影響で出るものです。いずれ時期が来れば落ち着きますが、それまでにスキンケア、ニキビの治療をしないとニキビの痕跡を遺します。出来れば1日2回は洗顔しましょう。スキンケアをしっかりしているにも関わらずニキビが悪化し始めたら皮膚科にご相談ください。

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