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発熱外来二つの受診の方法【発熱外来】【当日オンライン診療】
発熱外来用の診察室には限りがあるため重症化リスクの高い方が優先になりますが、
なるべく多くの方を診療できるように二つの受診方法【発熱外来】【当日オンライン診療】を設定しました。
【当日オンライン診療】も検査(PCR、インフルエンザ、溶連菌など)が可能です。
対象者は以下の通りです。
発熱外来用の診察室には限りがあるため、重症化リスクの高い方が優先になりますが、
なるべく多くの方を診療できるように二つの受診の仕方【発熱外来】【電話診療】を設定しました。
【電話診療】も【発熱外来】同様、薬をお渡ししますし検査(PCR、インフルエンザ、溶連菌など)も可能です。
対象者は以下の通りです。
内科の症状
「喉が渇いて仕方ないんです」
先日来院された患者さんの訴えです。
「水分は取っていますか?」
「喉が渇くのでたくさん飲んでいて、尿もたくさん出ます。」
多く飲んで多く尿が出る。
これを多飲多尿(たいんたにょう)と言います。
糖尿病の時にしばしば見られる症状です。
糖尿病とは何でしょうか?
WHOの糖尿病の定義によれば「膵臓から十分なインスリンが産生しない場合、もしくは膵臓が産生するインスリンを効果的に使用できない場合に発生する慢性疾患」です。
インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。
インスリンがなくなったりインスリンを効果的に使えなくなるとと血糖値が上がります。
→血糖値が上がると長い年月をかけて血管と神経が損傷を受けます。
→損傷を受けた血管は血栓が詰まりやすくなったり、破綻して出血しやすくなったりします。
脳の血管が詰まれば‥‥‥‥脳梗塞
心臓の血管が詰まれば‥‥‥心筋梗塞
腎臓の血管が破綻すれば‥‥腎不全→→人工透析
目の血管が破綻すれば‥‥‥眼底出血→失明
足に血が流れなくなれば‥‥足の先端から壊死(腐ってしまうこと)→足の切断
これらの5つの合併症を持つ恐ろしい病気が糖尿病なのです。
WHOによれば2016年は世界で160万人が糖尿病が直接の原因で命を落としています。
<1型糖尿病>
膵臓を自分自身の抗体で破壊してしまいインスリンを産生できない糖尿病を1型糖尿病と言います。
なぜこの抗体が産生されるかの原因ははっきりはしていませんが、生活習慣とは関係なく起きてしまいます。
インスリンが出てこないのでインスリンを毎日外から注射で補充し続ける必要があります。
インスリンを補充しないと血糖値がとても上昇してしまいます。
1日も油断のできない治療が一生続きます。
この1型糖尿病の有病者数は約11万人でした。
(厚生省研究班の「1型糖尿病の実態調査、客観的診断基準、日常生活・社会生活に着目した重症度評価の作成に関する研究」による)
<2型糖尿病>
1型糖尿病に対してインスリンを効果的に使用できない場合を2型糖尿病と言います。
現在の日本では1番多い糖尿病です。
国民栄養調査によると1000万人が糖尿病に罹患していると推計されています。
そのうちの11万人ほどが1型糖尿病ですからいかに2型糖尿病が多いかがわかります。
この2型糖尿病が家族にいる場合には3.5倍ほど2型糖尿病になりやすいことは分かっていますが、最近の研究では糖尿病を決定づける主要な遺伝子は見当たらないということがわかってきました。
いくつかの遺伝子が複合的に関連し、生活習慣(食べすぎや、運動不足)なども関連して2型糖尿病が発症するのです。
糖尿病の症状
さて、この糖尿病ですが、どんな症状があるのでしょうか。
糖尿病ガイドラインによると、慢性的高血糖の症状として
1 口の渇き、多飲、多尿、体重減少
2 典型的な眼底所見
があげられています。
ちなみにこれらの症状と同時に測った空腹時血糖値が126を越えたら、例え1回しか測定していなくても糖尿病と診断してよいとされています。
糖尿病の症状はどうやって出てくるの?
血糖値が180mg/dl以上になると腎臓は過剰な糖分を排出しようとします。
腎臓は血液から水分を抜き取って糖を溶かすのに必要な尿を提供します。
そして過剰に取ってる糖を溶かすため過剰に排尿することになり(多尿)、極端に喉が渇きます(口渇)。
結果としてたくさん水を飲みます(多飲症)
血液の様々な成分では、その濃度が高くなれば体はそれを薄めたくなって水分を欲します。
特に塩分濃度上昇でそれが起きますが、血糖値が上昇しても起きます。
喉が非常に乾くので、喉の渇きを癒すために水分を取ります。
喉が乾く時といえば、運動したりして汗をかいて水分が足りなくなった時ですね。(塩分濃度上昇)
体の水分が足りない時に水分を補充してもすぐに尿は出てこないのですが、糖尿病の場合は水分が不足しているわけではないので、多すぎる水分はまた尿になって体の外に排出されます。
これが汗をかいた時の喉の渇きと糖尿病の喉の渇きとの大きな違いです。
体重減少はなぜ起きるのか?
糖尿病と言えば肥満がイメージされるところですが、逆に体重が低下することが糖尿病にとっての重要な症状です。
血糖値が高くなると、その濃度を下げて体に蓄えるためにインスリンが出てくるのですが、糖尿病の方のインスリンは失われているか働きが悪いので、体に糖を蓄えることが出来ず、そのまま外に排出することになります。
摂りすぎた糖分は脂肪に変化させて体に蓄えるシステムがヒトの体にはありますが、糖尿病の場合はそれがうまく作動しません。
ヒトの体は糖がエネルギーの中心ですが、糖尿病の方は糖を蓄えられないので糖からエネルギーを作れません。
結局、タンパク質や脂肪からエネルギーを作ることになり体重は減少します。
症状が出てしまった糖尿病
上記の症状が出ている糖尿病患者さんは一般外来では非常にまれです。
このような症状が出る場合は、かなり血糖値が高くなっているときです。
ですので、
● 急に糖尿病が発現したとき
● 健診を何年も受けていなかったとき
の2パターンだけとなります。
通常治療しているほとんどの患者さんは、症状はないけれども
● 健診で発見された
● 高血圧など他疾患で通院中に定期検査で発見された
の2パターンです。
すなわち症状が出ている場合はかなり糖尿病が悪化しているので、そのまま入院しなければならないという場合が多々あります。
まとめ
「口渇」「多飲多尿」「体重減少」など、糖尿病のような症状が出てきたら、かなり血糖値が高くなっていることもあるのですぐに医療機関を受診してください。
そのときに、「糖尿病が心配なんです」という一言も付け加えていただけると良いかと思います。