必ずといっていい程子供は必ず風邪を引きます。
原因はウィルス感染ですが、ウィルスには何百種類もの種類があり集団生活を始めたばかりの子供は特に風邪を引きやすいです。
発熱・咳・鼻水などの症状が出ますが、症状が長引く場合は他の病気の可能性もありますので病院での診察と子供の観察は怠らないようにしましょう。
インフルエンザもウィルス感染による病気で、症状も発熱・咳・鼻水と風邪の症状とよく似ています。
特徴として38度以上の発熱があればインフルエンザの疑いがあります。
感染力の強いウィルスですので、早めの対応が必要となります。
溶血性連鎖球菌に感染する事で発症する感染症です。
発熱・ 喉の痛みが出るのが特徴で、その他にも舌にイチゴのようなツブツブが出たり、頸部リンパ節が腫れたりします。
くしゃみなどの飛沫による感染後、2~3日で発症します。 抗菌薬を通常10日間服薬し、症状を和らげ合併症を防ぎます。
手足口病は三大夏風邪とも呼ばれ、夏に流行する感染症です。
手・足・口の中の粘膜に水疱性の発疹ができるのが特徴です。
発熱を伴う場合もあります。
5歳を過ぎても、月1回以上のおねしょが続く場合、夜尿症と定義されます。
尚、夜尿症は下記のようなタイプがあります。
脳の下垂体というところから抗利尿ホルモンと(バゾプレシン)いうホルモンが出ているのですが、このホルモンの量が少ないと尿を濃縮することができないのです。
濃縮できないと尿量を減らせなくなり、結果として通常の人に比べて尿量が多くなります。
この多尿型を診断するのに一番重要なポイントは尿の比重です。
尿の比重が軽いときには尿を濃縮できていない、すなわちこのバゾプレシンというホルモンが不足していることが考えられます。
バゾプレシンを補充することによって、尿量が減り、夜尿の頻度が減ってきます。一番早く治療の効果が明らかに出てくるのがこの型です。
膀胱の容量は、体の成長に伴って大きくなるのが普通ですが、膀胱型のお子さんは膀胱の容量が非常に小さいです。膀胱の大きさを測るのは超音波で計測します。たくさん尿を貯めた状態で検査しないと測れません。
検査の際は、なるべくおしっこに行きたくてたまらない状態まで我慢してもらうようにお願いしています。
超音波検査を補ってくれるのが夜尿日誌(初診時にお渡しする日誌です)の我慢尿の記録です。夕方に水分を多めにとって限界まで我慢して尿量を測定していただきます。そうするとどのくらい尿を貯められるかが分かり、膀胱が小さい為の夜尿症であるかどうかが診断できます。
この尿を我慢していただくことは膀胱を大きくするトレーニングでもありとても重要です。
この型の多くの場合、投薬治療が必要となります。「最初は毎日あった夜尿が半分くらいに減る」ということが目標の治療になります。
混合型のお子さんは、多尿型と膀胱型が混じっています。この型の場合は抗利尿ホルモンと飲み薬を併用して治療を開始します。
しかし、なかなか治療に反応しないことも多いのです。
当院に来院される方の30%程度がこの型です。
このタイプは尿量もそれほど多くはなく、膀胱のサイズも平均的な大きさでありながら、夜尿してしまうタイプです。診断は夜尿日誌の夜尿量と起床時の尿量を比較します。
また「がまん尿」も比較していくと診断できます。治療に最も難渋するのがこのタイプです。
薬の量を調整しつつ、いろいろと試行錯誤が必要になります。
もちろん日常生活の水分摂取量も少なくしていただきますが、それにもかかわらずなかなか夜尿が止まりにくいタイプです。
最近、何人か夜尿アラームで効果が認められたので夜尿アラームを積極的に推奨しています。
ほとんどの大人は夜尿をしません。
大人の場合、おしっこがしたくなると寝ていても目が覚めるからです。
ところが夜尿症のお子さんはほとんどの場合、おしっこがたまってきても起きません。
たくさん出てしまってもさらに寝続けます。眠りが深いのです。
すべての夜尿症のお子さんでこれだけは共通事項です。
夜尿症はおしっこがしたくなって目が覚めるようになったら卒業です。
何の気なしにはじめた夜尿症の治療も、いつの間にか患者さんが増えてきました。
「病気ではない、気持ちの問題だ」「いや病気だ。」などという論争はありましょうが、困っていらっしゃるかたは現実に存在します。
夜尿症のタイプは大きく分けて4種類ほど。
多尿タイプと膀胱が小さいタイプは比較的治療がやさしい。薬が効きやすいのですが、膀胱の機能が落ちているタイプはなかなか難渋します。
具体的にいうと。膀胱が大きいのに、おしっこのたまっている量も少ないのに、ジョロっと出てしまう。
超音波検査と日記をつけていただかないとわかりませんが、最近、なぜかこのタイプのお子様が増えてきております。
来院時の注意点
最初に診察を受けるときに、夜尿症の原因を調べるために採血をします。
お子さんにそのことをよく説明してから来院してください。
また、初回来院時から次回来院時までの間に早朝尿を採っていただきます。
この尿は、次回来院予定日の4~5日前までにクリニックに提出してください。
これらに合わせて、夜尿日誌をつけてください。この日誌はとても重要なので、なるべく親御さんが記入するようにし、次回には必ず持参するようにお願いいたします。
また、2回目の来院された際に膀胱の超音波検査をしますので、できる限りぎりぎりまで尿をためて来院なさってください。(漏れない程度に)
夜尿症の診断のため、腹部超音波検査をします。
これらをチェックするためです。
この中で<膀胱の大きさ>のチェックだけは患者さん自身の努力が必要になります。
ぎりぎりまで尿を我慢してから検査を受けていただかなければいけません。
膀胱に尿が過剰にたまると、腎臓から膀胱に向かって尿が進めなくなり、「水腎症」という状態になります。
腎臓が尿でパンパンになった状態です。 これは漏れる直前なので、短時間で超音波検査を終了してすぐトイレに行っていただきます。
トイレでは尿量を計量カップで測ってください。
「おしっこが漏れそう!」とお子さんが言うとき、本当に尿が漏れそうな時とたいして漏れそうにないのに漏れそうと感じている時があります。腎臓を超音波で観察すると、本当 に危険な状態なのかどうか確認できます。
検査時間はおよそ5分程度です。尿がもれそうになったときは予約順にかかわらず、早めにお知らせください。
超音波検査は痛くない検査ですので恐れず検査に臨んでください。
夜尿日誌をつけていただいていると、いろいろなことが見えてきます。
特に注目しているのが、起床時の尿量です。
朝起きてすぐに尿を排泄してほとんど出ないということは、起きる直前に夜尿をしてしまったことになります。
あともう一息で朝が迎えられた可能性があります。
もしかすると卒業間近かもしれないのです。
もちろん、それ以前に出てしまっていて、実は2回3回としてしまっている場合も含みますので、その確認は必要です。
起床時の尿量は完治までどのくらい近いかを見るための、もっとも重要な指標です。
夜尿症の治療で古くから使われているのが、三環系抗うつ薬のトリプタノールです。抗うつ薬がなぜ夜尿症に効果があるのでしょうか?
実はこの薬の副作用に大いに関係しています。
この系統のお薬の副作用に口渇、排尿困難という抗コリン作用と呼ばれる作用があるのです。だから、この薬は夜尿症に効果があるのです。
別に夜尿症がうつ病に関係しているわけではありません。副作用を利用しているだけです。
通常ならば、あえて使う必要はないと思います。他に代替できるものが、たくさん出てきております。ただし、まれにこの薬を使ったほうがいいかもしれないと思う時もあります。悩ましい問題です。
古くからある漢方薬で小建中湯というものがあります。この薬、実は夜尿症に効くといわれています。ですが、今まであまり効果を実感できたことはありませんでした。
証(薬の効きやすいタイプの性質)を無視して出し続けていたせいです。漢方で証というのはとても大事。小建中湯の証は「かんしゃく持ちであること」なんです。
数年前、抗コリン剤もだめ、デスモプレシンも効果がないお子さんにまた懲りずに小建中湯を処方しました。どういうわけか2週間くらいしたところから少しずつ効果が出てきました。とてもおとなしくて温厚そうなお子さんでしたので不思議に思って「この薬はかんしゃく持ちじゃないとあまり効かないんですけどね~」というと「この子、すごいかんしゃく持ちなんです!!」と思いもよらないご返事をいただきました。
ということで最近では問診の段階でかんしゃく持ちの有無についてお聞きしております。
夜尿症の薬でも特にバゾプレシンという系統の薬は利くときは劇的に効果があります。
ただし、効くかどうかは事前にチェックが必要です。尿の濃さが薄い人でなければあまり効果がない。尿比重をチェックしなければなりません。
事前の比重が1.022を下回っていればかなり効果が期待できますが、1.030を超えるようなら効果はないわけではないけれど、難しい。
もともと夜間にたまる尿量が多いかどうかも重要です。
ただ最近は、尿比重でとても効きそうにないと思うお子さんでも効くことがあるので、最終的にはこの薬に頼ることもあります。いろいろと簡単にはいかない疾患です。
おねしょアラームとは尿の水分を完治してアラームでお知らせしてくれる装置です。
おねしょをアラームで身体に知らせる事により、尿意を感じた時に起きるという習慣を身体に覚えさせる効果が期待できます。
おねしょアラームを使うときには、お子さんが一人で起きられるまで親御さんが「起こしてあげなければならない」と思っていたのですが、お母さんが起こさなくてもアラームをセットしているだけで改善する子がいることがわかってきました。
欧米の論文でも3か月の治療期間で治癒率約60%でした。
この治療法はかなり効果的です。すべての夜尿のお子さんにまずは試してみていただきたいです。
すぐに効果は出ないのですが、1か月くらい我慢して使っていると突然飛躍的に改善することもあります。
それでもダメなときに生活習慣の改善と投薬による治療を考えましょう。
おねしょアラームは基本的には医療機関でお渡しするものではありません。「おねしょアラーム」で検索してみてください。
何事にもタイミングというものがあります。
特に夜尿症、命にかかわる病気ではありませんので、どうしても治療がおざなりになってしまうことがあります。
しかし、林間学校などの宿泊学習の直前になると夜尿症で困っている方の来院が増えてきます。
治療開始年齢は4年生~5年生が一番多いのが現状です。
それ以外の時期では小学校に入学が契機になります。
ただ、はっきりとした目標がある時期に治療への意欲も上がりやすいことは確かです。
しかしあまりぎりぎりになって来院されると、診断もおろそかに治療も効果がわからないまま宿泊学習をむかえることになってしまいますので、できれば学校生活の年間予定を確認していただいて、宿泊学習の3か月ほど前から来院されることをお勧めします。
宿泊行事中は普段の生活よりも規則正しい生活スケジュールとなることが多いため、下記の対策が有効といわれています。
(おねしょ卒業!プロジェクト サイト内に記載)