MENU
発熱外来二つの受診の方法【発熱外来】【当日オンライン診療】
発熱外来用の診察室には限りがあるため重症化リスクの高い方が優先になりますが、
なるべく多くの方を診療できるように二つの受診方法【発熱外来】【当日オンライン診療】を設定しました。
【当日オンライン診療】も検査(PCR、インフルエンザ、溶連菌など)が可能です。
対象者は以下の通りです。
発熱外来用の診察室には限りがあるため、重症化リスクの高い方が優先になりますが、
なるべく多くの方を診療できるように二つの受診の仕方【発熱外来】【電話診療】を設定しました。
【電話診療】も【発熱外来】同様、薬をお渡ししますし検査(PCR、インフルエンザ、溶連菌など)も可能です。
対象者は以下の通りです。
小児科の症状
ウイルスや細菌など外敵が体に入り込んできた時に体内の白血球やマクロファージがそれらと戦いを開始します。
戦いをしている間にサイトカインと呼ばれる化学物質が白血球やマクロファージから産生されます。
このサイトカインが引き金となり脳の中にある体温調節中枢に体温を上げるように働きかけるのです。
なぜ、体温を上げる方がいいのでしょうか。
それは体温を上げるとウイルスや細菌が増殖しにくくなるからです。
なぜ、体温を上げるとウイルスや細菌が増殖しにくくなるのでしょうか。
ウイルス、細菌などが37度から38度に体温が上がっただけで死滅するのでしょうか?
そんなに簡単にウイルスと細菌が熱にやられて死ぬわけがありません。
ノロウイルスに至っては85~90度で90秒間加熱しないと死にません。
こんなに体温を上げたらウイルスを殺す前に人間が死んでしまいますね。
体温を上げるとウイルスや細菌が増殖しにくくなることを説明してくれる論文(自然科学研究機構・生理学研究所の加塩麻紀子研究員と富永真琴教授による)が出ています。
マクロファージ(貪食細胞)という細胞は人間の体の中で病原体と真っ先に戦う細胞です。
戦いを始めるとマクロファージは過酸化水素を放出して病原体を殺します。
この論文によると、過酸化水素が存在する状態でさらに体温が上昇するとマクロファージがより活性化(パワーアップ!ですね)することが実験で証明されたのです。
これはすごい発見だと思いますね。なぜ熱が風邪などにかかった時に出るのかを明らかにしてくれました。
解熱剤の使用について
では、現実問題として高熱でうなされている時に解熱剤を飲まない方がいいのでしょうか?
この論文では他にも調べてくれています。
「温度センサーであるTRPM2は活性化物質が存在しない状態では、体温域では活性化しませんが、マクロファージの免疫反応によって産生される過酸化水素があると、体温域でも反応するようになることがわかりました。」
すなわち体温域でも過酸化水素が出ていればマクロファージは力を発揮してくれそうです。
高熱でうなされている時
子育てをしている人はすでに経験されているかもしれませんが、高熱でうなされていて、眠ることすらできないでいる子どもに解熱剤を使うとものの数分でスヤスヤと寝てくれます。
まるで魔法のようです。
こんなにスヤスヤと眠れる薬を風邪の治りが遅くなるからと使わないのはもったいない。
もちろんすでにスヤスヤと寝ているこどもを高熱だからと言って起こして解熱剤を飲ませる必要はまったくありません。
僕はそういうわけで、多少風邪の治りが遅れても楽に過ごせた方がいいと思っています。
長引く発熱
一般的に感冒の発熱は薬を使わなくてもだいたい3日以内には下がります。
4日目まで長引いている発熱は何かほかの原因があるかもしれません。
一番多い原因は肺炎です。4日目の発熱(38.5度以上)は胸部のレントゲンを撮らなければいけません。
また、特にほかの症状がはっきりしない時に高熱が続いている場合も要注意です。
20歳代の女性で38.5度以上が4日目だったので胸部レントゲンを撮りましたがまったく異常がなかったことがありました。
そこで、尿を調べたら尿潜血も尿中の細菌も認められ腎炎だったことがあります。
抗生物質で7日ほどで完治しました。
他院で抗生物質を4日ほど点滴しているけれども熱の下がらない(38.5度以上)患者さんが来たことがあります。
右の上腹部にわずかに痛みがあったので、腹部超音波検査をしてみました。肝臓に膿瘍ができていました。
これは中の膿を外に出さなければいけないので入院して治療が必要になります。病院を紹介させていただきました。
インフルエンザの二峰性の発熱
インフルエンザで一旦熱が下がってその後もう一度熱が出ることがあります。
これを「二峰性の発熱」といいます。だいたい1日くらいで熱は下がりますので慌てないでお待ちください。
2013年の北海道大学の臨床研究では約5%のこどもたちにこの「二峰性の発熱」という現象がおこりました。
年齢が小さくなるにつれその頻度は増えたと言うことです。
ただし、この「二峰性の発熱」は3日続くことは考えられないのでその場合は肺炎などが引き起こされたことも考えて胸部レントゲンを撮る必要があります。
二峰性の発熱が出た時に一番困るのは「インフルエンザの解熱後2日間間をあけてから登校登園許可」というルールです。
このルール通りだとかなり長期間のお休みになってしまいます。悩ましいところです。