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発熱外来二つの受診の方法【発熱外来】【当日オンライン診療】
発熱外来用の診察室には限りがあるため重症化リスクの高い方が優先になりますが、
なるべく多くの方を診療できるように二つの受診方法【発熱外来】【当日オンライン診療】を設定しました。
【当日オンライン診療】も検査(PCR、インフルエンザ、溶連菌など)が可能です。
対象者は以下の通りです。
発熱外来用の診察室には限りがあるため、重症化リスクの高い方が優先になりますが、
なるべく多くの方を診療できるように二つの受診の仕方【発熱外来】【電話診療】を設定しました。
【電話診療】も【発熱外来】同様、薬をお渡ししますし検査(PCR、インフルエンザ、溶連菌など)も可能です。
対象者は以下の通りです。
肺年齢について
若くて痩せている男性が「胸が痛いんです。」と来院されたらその体型を見ただけで「気胸かもしれない」と私たち呼吸器内科医は予想します。
気胸ってなに?
気胸とは肺がしぼんでしまっている状態です。
肺に穴が開いて肺と胸壁の間の空間に空気が漏れてしまうのです。
漏れた空気は肺を外側から押してしぼませてしまうのです。
また、肺の表面の膜が薄くなった部位ができることがあります。
この薄くなった部位のことをブラと言います。ブラが破けると気胸になります。
気胸は自然気胸と続発性気胸の二種類に分けられます。
①自然気胸
特段原因がないのに気胸になった場合は自然気胸といいます。
➁続発性気胸
何か肺に病気があったり、事故で肋骨が折れたりして気胸になる場合を続発性気胸と言います。
症状
突然、胸が痛くなり息切れをするようになります。
気胸の患者さんはよく「チクチクした」「ズキンとした」と表現されます。
呼吸がしづらいので浅く小さい呼吸をします。
咳は出たり出なかったりします。
また、どんな時に発症するのか全く予想がつきません。
歯磨きをしようとして上を向いた時に発症した人もいました。
<緊張性気胸>
気胸は放置しておくと緊張性気胸という重篤な状態になることがあります。
気胸になっても多くの場合、穴が一時的に塞がっています。
しかし、まれに穴が開いたままになっている場合があります。すると穴から空気が漏れ続け肺がしぼんでいきます。そして肺が完全にしぼんでしまったのにさらに漏れ続けることがあります。
そうするとその漏れた空気が心臓を押して反対側の肺も圧迫してしまうことがあります。
これを緊張性気胸と言います。
緊張性気胸になると、血液の流れが急激に悪くなり血圧を維持することができなくなります。
ショック状態になって命の危険があるので緊張性気胸になったらすぐに治療をしなければなりません。
<月経関連気胸>
自然気胸を発症する9割は男性です。
ところが、生理の時に発症する特殊な気胸があり、月経関連気胸と呼ばれています。
これは子宮内膜の成分が肺や横隔膜にでき、生理のときに剥がれて横隔膜または肺に穴が開くことが原因と考えられています。
不思議なことに9割以上は右側に発症します。
女性で突然の右胸部痛が出現したらこの病気かもしれません。
診断
胸部のレントゲン写真を撮って肺がしぼんでいるかどうか確認します。
ほとんどの場合、胸部のレントゲン写真を撮るだけで気胸の診断はつきます。
気胸の状態が悪い場合は速やかに呼吸器外科のいる病院へ紹介します。
<重症度分類(レントゲンによる)>
軽症:肺尖部(肺の一番上の部分)が鎖骨よりも上に見える場合。
中等症:肺尖部が鎖骨よりも下で重症ほどではない場合。
重症:完全にしぼんでしまった場合
以上のように中等症と重症の違いはあいまいです。
また、気胸は一度肺にできた穴がなにかのきっかけで大きくなるとあっという間に軽症から重症に進むので重症度分類で軽症と診断しても安心はできません。
治療法
①経過観察
自然気胸の40%〜50%の方は経過観察だけで治癒します。
軽症の場合はまずは経過を見ます。
空気の漏れが止まったあと肺と胸壁の間の空気は自然に吸収されていきます。
ただし、肺の穴は体の皮膚の傷が治っていくのと同じようにまだもろい状態です。
咳をしたり、大声を出したり、運動したりするとまた開いてしまいます。
肺のしぼんだ程度にもよりますが、2週間から1ヶ月はおとなしく生活する必要があります。
その間、定期的に胸部レントゲンを撮りながら肺が膨らんでいく様子を確認します。
肺が予想に反してしぼんでいくような場合は呼吸器外科のある病院を紹介することになります。
②胸腔ドレナージ
中等症で穴が再び開いてしまった場合は急激に重症になるので、中等症以上で肺のしぼみ方が激しい時は入院して胸腔ドレナージを行います。
局所麻酔をして、手の指くらいの太さのチューブを胸に穴を開けて胸腔内に挿入します。もちろん、チューブを挿入した時に肺に直接刺さらない場所を選びます。
そしてチューブに陰圧をかけて空気を外に吸い出し、しぼんだ肺を膨らませてそのまま肺の穴が閉じるまで数日待ちます。
完全に漏れがなくなったことを確認してチューブを抜去します。
この太いチューブの代わりにチューブよりはやや細い針で空気を外に吸い出す方法もあります。
胸腔ドレナージを行うとき、肺が膨らんだ後に再過膨張性肺水腫(肺が水浸しになる状態)を起こすことがあります。
完全に虚脱した(肺胞が潰れた)状態から膨らませると17.4%の確率で発症します。[Radiographics.1999Nov-Dec;19(6):1507-31]
なので、胸腔ドレナージは入院して治療した方が良いです。
③手術
手術は気胸が再発した場合と両側の肺が気胸になった時は行わなければなりません。
大きく切って手術をするか、胸部に小さな穴を開けて手術をするかは状況によって変わります。
某大学病院ではロボットを使って気胸の手術をするようです。
ロボットのアームは人間の手首だったら不可能な方向にも普通に曲がります。
そのため、人間の手首では難しい角度でも手術が可能になります。
主に呼吸器外科医のいる病院で手術は行います。
まとめ
急に胸が痛くなって息切れが続くようなら気胸の可能性があります。
すぐに医療機関を受診してください。